交通事故の鑑定事例⑤
後部座席に憑いた霊に驚愕し自損事故に至った事例
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【事故概要】
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8月の深夜、走行中に背後に何かいる様な感覚に陥り、霊と捉え驚愕し車が不思議な力で吸い込まれる様に側壁に衝突した自損事故。相手側は霊の存在など荒唐無稽として保険会社は支払いを拒否。事故の原因が過失由来か故意由来かが裁判で争われた。
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【弊所鑑定】
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まず、事故態様について精査したところ、損傷位置は良好に車両損傷と一致し矛盾は認められなかった。
次に道路の築造年次を調査したところ昭和23~36年の間であることが判明した。
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敷設年次が昭和45年の道路構造令施行前であるため、現地を踏査してみると、カーブの外側が低い逆バンク構造であることが判明した。
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本来であればカーブの外側が高く遠心力を抑制しているのであるが、本件道路は築造年次が古く逆に遠心力を促進してしまう構造であった。
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つまり、事故当時不思議な力で壁に吸い寄せられたのは霊の力ではなく促進された遠心力で説明できる。
そこで我々は事故当時と近似した気象条件下で現地踏査を行い、暗視装置で現場の非可視領域を探ったが、霊は見つけることができなかった。
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次に赤外線サーモグラフィーで現地を観測すると、日中太陽光に灼かれた側壁の温度が30度を超えており、事故当時に於いては40度誓い温度であったと推認された。
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事故当時、依頼者はサンルーフを開けていたため、そこに太陽光で灼かれた外壁の暖かく湿った空気が流れ込み、霊と錯覚して驚愕しハンドル操作を誤ったと結論づけた。
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依頼者の訴えは裁判において宣誓証言されたが、裁判所は同人の証言に嘘はなく実体験に基づくものと認め保険会社は車両の修理代金を支払う命令が下った
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依頼者は包み隠さず正直に感じたままを喋ったにも関わらず、結審するまで3年7ヶ月間、車を修理することもできずローンだけを支払っていた。今回の事例で残念ながら霊の存在は証明できなかったが、状況的に見るとこのような不幸に見舞われることは何らかの祟りと認めて矛盾がなく、依頼者には除霊・お祓い・悪魔払い、できればその全てを行う様、アドバイスした。
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